連載:仕事遍歴18 西田清美(昭和7年生)カドリールニシダ会長/シャルレとの出会い

ある日、神戸で下着の訪問販売で成功していたシャルレの林宏子がカドリールニシダを尋ねてきた。聞くと代理店の販売員が家庭を訪問し、そこに集まる主婦を相手に試着しながら接客してブラジャー、ガードル、ボディスーツなどを販売し好評だと言うことだった。 その商品は東京や大阪の問屋から仕入れていた。その話を聞いた西田は、すぐに問屋からの仕入れは止めた方がいいと話した。「どこでも誰でも買えるようなものは消費者のためにならないから止めなさい。自分のお客様のためにオリジナルを作った方がいい」と説得した。問屋の商品は簡単に仕入れることができるが独自性がない。その話を聞いた林宏子は「分かりました、考えます」と言って帰って行った。
すぐにでも返事がくると期待していた西田だが、それから一、二ヶ月経っても何の連絡も来ない。三ヶ月ほど過ぎて諦めかけていたころに連絡があり、今度は林宏子の夫でシャルレの林社長も一緒に来た。そこで、堀江昭二を林夫妻に紹介し、ブラジャーやボディスーツの試着、サイズ、その作り方などに話しが及んだ。林宏子は帝塚山学院短期大学英文科を卒業後、伊藤茂平洋裁学校に通い、洋裁の専門知識を持っていた。
彼女は販売の現場に赴き主婦を相手に下着を試着する中で、たくさんの疑問や問題点を感じていた。それを西田や堀江にぶつけると話しが弾んだ。そして、林宏子はカドリールニシダのデザイナー堀江昭二と組んで、シャルレオリジナルのファンデーション開発に乗り出すことになる。そこで生み出されたのが現在もシャルレで販売しているCシリーズという商品グループで、当初はキャナリーと呼んでいたフルカップのブラジャーだった。
発売開始は昭和56年(1981年)で1色5万本の発注がきた。この商品は昭和56年(1981年)から平成7年(1995年)まで15年間続けて毎年100万本以上を販売するヒット商品としてギネスにも登録された。販売から30年以上経つが、いまでも色あせることなく販売されている。バストのボリュームを集め高くし、外側に流れがちな肉をバスト中心に引き寄せスッキリ整える補整下着の技術が凝縮したブラジャーとなっている。林宏子シャルレ副社長は自らの下着に対する考え方をまとめた一冊の本「からだ美人の下着学」を1988年2月に講談社から出版している。そのあとがきには「本書を出版するに当たり、堀江昭二氏になみなみならぬご協力をいただきました」と感謝の意を表している。(からだ美人の下着学:林宏子 1988年2月講談社出版)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る