インタビュー/ノンワイヤーブラの進化とワイヤーブラの開発を・株式会社いずみ 佐藤大助社長

ー3月期は
大変厳しい一年だった。売上は約48億円で去年が53億円だったので、前期比90%前後。利益は減益で、まだ最終的に確定していない。その背景には、広がりすぎたノンワイヤーブラにあると見ている。かつてノンワイヤーブラはミセス向けのベーシックで楽なものが量販店で販売されていたに過ぎなかった。それが、すべての量販店からカタログ、ネット通販まで販路が広がり販売シェアがブラジャー全体の半分以上になる。これは、僅か数年で瞬く間に広がった。弊社も、ノンワイヤーブラで売上拡大してきたが、その成長モデルに限界が来ている。
ーその対策は
ノンワイヤーブラの深掘りとワイヤーブラの見直しを進めたい。ノンワイヤーブラの着心地は千差万別。もっと着用感がよく、きちんと補正できるようなものを開発し、ノンワイヤーの着用感を高め進化させていきたい。市場を見ると、ノンワイヤーブラが広がったことで、これまでブラジャーを扱ってこなかったインナー工場が製造販売するようになった。弊社はもともと補正下着専門のファンデーションメーカーなので、そこで培った技術を武器に、ノンワイヤーブラにふさわしい高度な機能や着用感を実現したい。
もうひとつは、ワイヤーブラの見直しで、ノンワイヤーではどうしても限界のある補正機能を満たすワイヤーブラを開発する。消費者を見ると、ノンワイヤーブラが人気で売れている反面で、30代以上の働く女性たちは、きちんとしたワイヤーブラで体のラインをきれいに整えたいと願う女性も多い。そういった女性たちに納得してもらえるワイヤーブラを開発する。
弊社が製造輸入するブラジャーは年間で約700万本~800万本で、この1、2年の数量はあまり変わらない。その70%以上がノンワイヤーだが、まだ増えそうだ。
ーネット通販は
公式オンラインショップ「いずみBODYラボ」は専門スタッフと予算を計上して強化する。東京支店に3人のスタッフがおり、2年間の蓄積の上に最近始めたブラジャーの大小サイズ専門ショップとして再スタートし出だしはまずまず。計画では本年度売上5000万円、来年度1億円を計画している。
現在は自社オンラインショップのみだが、近いうちにゾゾタウンに出店するほか、既存モールへの新規出店も考えている。ネット通販でブラジャーのサイズ専門ショップが珍しいのか、既存の仮想モールやカタログ通販企業からの取り引きも依頼も増えて期待できる。
ー新しい事業は
4月末からはLGBT(性的少数者)を対象にしたパンツを新発売する。弊社が製造販売しパートナー企業が企画、販促を担当する。製品は合繊素材のパンツ(1枚税別3800円)で男性でも女性でも履ける仕様になっている。
この市場は過去10年で広がっている。毎年、渋谷でセクシャル・マイノリティの方々が開くイベントがある。10年前の参加者は1万5000人だったが、昨年は15万人を超える一大イベントになる。このパンツは、その会場で販売するほか、ネット販売や渋谷ではファッションビル109内に期間限定ショップができるなど、地域や行政も支援している。
弊社は、4月に企画のデザイナー4人が新卒で入社した。これから若い人に活躍してもらうには、企業として将来の夢が必要になる。ネット通販やLGBTの皆さんに向けた下着の開発が小さな事業でも希望や夢があり、若い社員がやりがいを持って仕事ができるようにしたい。

株式会社いずみ(大阪市本社)佐藤大助社長

 

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