内藤憲夫のパリランジェリー展レポート NO1 /製品展に日本から5社が出展/シェイプエアからボディウエア

毎年2回のインナー関連展示会のパリ視察ツアーを催行しているが今年は1月16日から23日までロンドン、パリ8日間のツアーに同行した。改めて、パリのランジェリー展の情況を本号から2回に分けて報告する。


1月のパリランジェリー展は19日、20日、21日の3日間、例年通りポルトドヴェルサイユで開催された。昨年から続いている「ジレジョーン(黄色いヴェスト)」の反政府デモを多少心配したが展示会には全く影響がなかった。パリランジェリー展の正式な名称は、製品展が「国際ランジェリー展」、素材展は「アンテルフィリエール」と呼ばれている。今回も20日にツアーの2つの特別プログラムを実施した。まず、アンティルフィリエール展の傾向や注目すべき出展社などについてユーロベットのダミアン・アントワーヌ氏の解説、次にトレンドフォーラムでコンセプトパリのミカエル氏から2020年春夏傾向の説明を受けた。
製品展は400ブランド、素材展は185社が出展した。製品展の出展社は20%がフランス企業、80%が他国企業、素材展についてはフランス企業が15%、他国企業が85%。入場者に関しても、フランス人ビジターは全体の36%。残り64%はドイツ、イタリア、ベルギー、イギリスなどで、さらにはロシア、アメリカ、日本など。世界各地から訪れるバイヤーやデザイナー、あるいはジャーナリストらが集まる国際色豊かな展示会となる。
今回の製品展には日本からアロマティック、カスカ、カナ・マツナミ、ランジェリーク、プルミエ、ルイ・グラマラスの5社が出展。アロマティック、カスカ、カナ・マツナミ、ランジェリークはセレクトコーナーのEXPOSEDにブースを置き、ランジェリーだけでなくコンセプトストアをはじめとしたプレタポルテのバイヤーから注目を集めていた。
また、ワコールはワコールヨーロッパとして会場入口に広いブースを出し、存在感を放っていた。製品展にこれだけジャパンブランドが出展するのは、私の記憶では初めてではないかと思う。このような国際レベルの展示会で、日本のハイレベルな製品が堂々とその存在を主張している。日本にはまだまだ素晴らしいブランドが数多くある。ぜひ国際舞台に出てきて、世界に向けてコレクションを発表して欲しいと思う。

身体を締めつけないランジェリー
製品の傾向としては、一時期のシェイプウェアから「ボディウェア」に完全に移行したようだ。いかにしてより美しいボディラインを作り上げるかが目的のシェイプウェアでなく、着ている自分が心地よく、自分らしさを表現する「ボディウェア」だ。体を締め付けない優しいランジェリーである。他人の視線を意識するのではなく、自分の内側を見つめるところに企画の流れがありそうだ。
前回展示会のファッションショーで、太っていたり、あるいは、体に傷のある女性たちがモデルとなり「画一化されない、唯一の自分を受け入れ、それが美しい」とアピールしていたことを思い出す。他人に媚びず、本当の自分を愛する姿勢は、今回の展示会のテーマ、「Fall in love with yourself」(自分自身に恋に落ちる)に引き継がれている。「他人は他人、自分は自分」という個人主義のフランスにおける意志の強いフランス女性だからこそ発信でき説得力のあるメッセージだと思う。
ブラフィッティング
製品展で目に付いたのはブラフィッティングのイベントである。製品のトレンドフォーラムでは、アメリカからブラフィッティングの専門家キメー・コールドウェル氏が来場し実演していた。これまでも、ブラフィッティングの実演はあったが、今回は回数を増やしトレンドフォーラムというオープンな場所で行うことで、これまで以上に関心を集めていた。また、コールドウェル氏によるカンファレンスも開催されブラフィッティングのノウハウもさることながら、自分の体にあったブラを正しく身につけることで、より健康で幸せな生活「ウェルビーイング」を得ることの大切さを提唱していた。
「ボディウェア」と「ブラフィッティング」のどちらにも共通して言えることは「自分自身を見つめ直し、自分の内側から幸せを感じること」である。「ランジェリー」が「インティメイト」つまり、自分に密接した親密なアイティムであるがゆえに女性の生き方に深く関与してくると言っても決して言い過ぎではないだろう。

レポーター アークスリーインターナショナル 内藤憲夫氏

 

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