イオンリテール/ic(インナーカジュアル売場)2025年までに全店に拡大/将来はトップバリュー比率90%に

船橋店ic売場                                       前年比115%~120%で推移                                                          イオンリテールの衣料品改革でインナーウエアとカジュアルウエアが動き出した。10月20日イオン船橋店で初のインナーカジュアル売場(以下ic売場)を約600坪の売場面積でスタートしたのを皮切りに10月26日には大阪府守口市の大日店(同500坪)、11月2日東京都板橋区にある板橋店(同400坪)、11月9日新店オープンした三重県津市にある津南店(同400坪)と相次いで店舗のリニューアルや新店オープンに合わせて売場新設が続いている。このic売場は昨年3月にイオンリテールの組織機構改革で新しく①ホームコーディ事業開発部、②キッズリパブリック事業開発部、③グラムビューティーク事業開発部、④インナーカジュアル事業開発部など4つの組織ができた。その中でインナーカジュアル部門を除く3つの分野は先行して売場ができていたが、このインナーカジュアル事業開発部の新しい売場は10月20日の船橋店が1号店となり事業を本格化させた。商品は紳士肌着、婦人肌着、靴下類、ナイティ類などのインナーと軽衣料(カジュアルウエア)から構成されている。
什器を高く/通路を広く/黒と白がキーカラー
売場開発に当たっては、お客様とイオンリテールで働く8万人の従業員の声を聞くことから始め、そのニーズをまとめることで、今回のic売場が登場した。コンセプトは「お客様の毎日に寄り添い、肌に寄り添う」で、とくに「毎日」というデイリー需要と「寄り添う」という肌着との親和性をキーコンセプトに売場開発を進めた。売場の特徴は第一に什器が高いこと。通常のGMS型店舗の売場什器が135㎝平均の高さに対して、この売場は低い什器が165㎝で、高いものは240㎝あり通常型イオン店舗よりも高くしている。これは、商品を見やすく手に取りやすくしたもので、消費者の声を取り入れて実現したもの。
第2に什器を高くしたことに合わせて通路幅を1・5倍に広くした。これは、従来型店舗よりも90㎝ほど幅広くしたことになる。第3は店舗イメージとして黒と白を売場の基調カラーにした。これは、売場がきれいに見える、引き締まるといった効果を期待してのこと。
フック掛け/品番数3割削減
第4は什器の高さに合わせて、すべて商品をフック掛けに陳列した。平台などはセール時やレジ横などで使用する以外では使わない。第5はイオンのインナーやカジュアルウエアの既存売場は約5000品番で構成されていたが、今回の新しい売場開発に当たっては、その約7割の品番数にして約3割削減した。その品番数削減でSKU(在庫の最小単位数)が大きく削減されたことで、残る7割の品番はカラー、サイズの露出面が増えて、何がどこにあるかが分かりやすい配置にした。この品番数削減に合わせてゴールデンラインといわれるメイン通路にしっかりと商品を見せることができ、各品番在庫の奥行きも充分に確保したことで、色サイズの欠品が出ないようにしている。
PB比率45%
また商品は、プライベートブランド(以下PB)比率が約45%だが2025年度までには全体のPB比率を90%まで高めたい考え。今回の売場スタートに当たっては、商品開発が充分にできておらず、当面は、既存PBとワコール、トリンプ、グンゼなどの既存商品を組み合わせて品揃えしていく。
1階食品集客力を活かす
このic売場開発の背景には、イオングループの総合力を活かせると判断したことだ。GMSの1階食品売場には毎日、若い人からミセス、シルバー層まで幅広い客層が多く来店している。また、同売場は競争相手のファストファッション系店舗などに比べて、2倍から3倍のインナー売場面積がありスケールメリットが出せる。それだけに、今回のic売場設置に当たっては、1階食品売場で2階のic売場を告知するポップや店内放送を数多く実施したり、1階食品売場で2000円以上買い物した人には2階で使えるクーポンを発行するなどモール全体で2階への顧客誘導対策が実施されている。
販売員の育成/スター商品の開発
今後の課題はふたつ。ひとつが、販売員の育成で、ふたつ目が社内では「スター商品」と呼んでいるヒット商品の開発だ。売場に来店される顧客に対する接客は何よりも優先して重要としており、その質的向上が課題として残る。また、ヒット商品(スター商品)は悲願の課題で、何よりも消費者に訴え認識され満足して使ってもらえるビッグヒット商品開発が急務で、そのことで買い上げ点数を増やし売上増加につなげたい考え。
今後のic売場事業計画は今年(2019年)に昨年の2倍以上の店舗で売場を新設し、最終的には2025年度にイオンリテール全店のGMS店舗(350店舗)でic売場を作る計画だ。昨年10月20日にデビューしたイオン船橋店ic売場は大きく売上が伸びたオープン直後を除くと売上前年比115%~120%で推移しており、まずまずのスタートを切っている。この売場改革の推進役を担う同社商品企画本部インナーカジュアル事業開発部政策推進リーダーの三木誠氏は「今回の船橋店で、できるなと確信した。従来のGMSは後ろにあり、このic売場をメインステージにした。こんな売場はどこにもなく、日本初の店として日々修正しながら目標に向かっていきたい」と話している。

 

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