チュチュアンナ/出店政策の戦略転換に乗りだす/大型店30店舗出店・小型店閉店

靴下下着の専門店チエーンチュチュアンナ(上田利昭社長)の出店政策転換に注目が集まっている。同社は10月に新たな指針となる国内店舗出店方針を公表した。それによると、「国内店舗開発において230平方㍍の大型店出店を強化していきます」という店舗の大型化だ。現在の国内店舗は7月末時点(表1参照)で260店舗だが、その平均面積は約130平方㍍で230平方㍍を超える店舗は全国で11店舗に過ぎない。残る249店は平均面積以下の小型店舗で、これについては、「大型店舗の出店を強化する一方で、今後成長が見込めない店舗については、契約更新時にあわせて閉店をすすめて行きます」としている。その第一号店としてイオンモール大和郡山店を移転増床し9月21日には210平方㍍の店舗を出店し、今後、同様の店舗を2020年までに30店舗増やす計画だ。すでに、今期に入り大和郡山店のみならず、9月28日には豊田TーFACE店、10月1日に東京新橋にあるウイング新橋店、10月26日にイオンモール春日部店などが新規オープンしており、合わせて成長が期待できない小型店の閉店も実施していく。
同社の店舗数増減と売上高の推移を見ると(表1・表2参照)2018年7月期売上高は284億3600万円(前期比100・6%)、その前年7月期は売上高282億4200万円(同100・5%)で2016年頃から売上高が停滞し店舗数が増えても売上高が並行して増えない状況が生まれている。これは、同業各社も同じで、2014年頃まで毎年店舗数増加と並行して2ケタ増の売上高を更新してきた靴下・下着販売の専門店事業と市場環境に明らかな異変が起きている。
とくに、郊外に立地するショッピングセンターの集客力は大きく落ちているところが増え、そこに出店しているテナント売上げが減少する傾向は全国各地で起きている。加えて人手不足が加わり、販売に従事する人材確保ができず、新規出店を諦めるケースも少なくない。更に深刻なのは、この人手不足の影響で地方でも時給単価が上がり、売上高確保が難しい中で人件費の増加だけが続くという循環が起こる。そんな中で、下着・靴下に関係する専門店チエーンの中には新規出店を控えたり、不採算店舗の撤退を急ぐ業者が増えている。
チュチュアンナは新たに店舗業務の効率化を目的に株式会社FlowSolutionsのインサイトを導入した。これは、変化する消費市場の中で、店舗のあらゆるデータを統合し可視化することで問題点を抽出し改善につなげようとするもの。これまで小売業はバイヤーや店頭スタッフ個々人の過去の経験的、感覚的判断が優先し業務が実行されており、それをデータ解析により可視化、定量化することで情報の共有と対応策のスピード化を図る。
長く続いたデフレ経済の中で、チュチュアンナは何でも3足1000円で良い品物をお得感で品揃えし若い女性を対象に販売し成功してきた。だが、この良い物を安く大量に販売するデフレ下の店舗運営は今の消費性向とミスマッチが起きている。かつては、一時的に厳しい売上のシーズンが来てもタイツ、レギンス、トレンカなど次々とビッグトレンドが来て再び上昇軌道に戻った。だが、そんな神風に期待する時代は終わる。今年のトレンドであるレギンスは盛り上っているが、かつてのようにトレンドスケールには至らず小型化している。出店政策の戦略転換にいち早く舵を切ったチュチュアンナがどのように今の時代に合った成果を生み出すか注目が集まる。

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