内藤憲夫のパリ日記【上】・・・パリの暑い7月

「Mode City(モードシティ)」が「Unique(ユニーク)」に名称変更

内藤憲夫氏は旅行会社アークスリー・インターナショナルのツアーコンダクターとして、パリの国際ランジェリー展を35年間見続けてきた。初回は35年前の1983年第1回モードシティ展からだが、そのモードシティも今年から名称がUnique(ユニーク)に変わる。今回は同氏の目に映る今のパリを2回に分けて掲載する。

ツアーはロンドン、パリと回ったがどちらも例年以上に暑かった。7月上旬のパリはいつも解放感に溢れており、待ちに待ったヴァカンスの始まりに加えて、今年はサッカーのワールドカップでフランスチームが順当に勝ち続けており(結果的には優勝したが)否が応にも盛り上がる。

好天気に恵まれたランジェリー展も、それに後押しするかのように、賑やかで明るい雰囲気に満ち溢れていた。開催日は 7月7日、8日、9日の3日間。会場は、これまでと同じポルトドヴェルサイユだが、パビリオンはいつもの1号館ではなく、3号館と4号館に変更された。場所が変わると戸惑うことが多いかと懸念したが、幸いにもそれはなく、涼しい館内をゆっくり見て回ることができた。7月の製品展は 長年「Mode City」(モードシティ)と呼ばれてきたが、今年から「Unique」(ユニーク)に名称が変更された。ただし、今年はまだ移行期間ということで、「Unique by Mode City」という表記でおまけ付きとなる。慣れ親しんだMode CityからUniqueに変えた理由には、7月の展示会がランジェリーのみならずスイムウェアと近年ではアクティヴウェアの占める割合が大きくなったことが上げられる。展示会が35年前とは異なる以上、名前も一新する必要があった。この「Unique」という名前について、主催するEUROVET(ユーロヴェット社)に聞くと「他人とは異なるUniqueな自分自身を愛する」というメッセージが込められている。そのUniqueに合わせて、一般公募したUniqueな体型の女性、Uniqueなバックグラウンドを持つ女性たちによるファッションショーも開催された。画一的なモデル体型ではない彼女たちが、誇らしげにさっそうと歩く姿が印象的であった。自己主張の強いフランスで、女性が「自分はこうありたい」と意識し「自分自身に責任を持つ」ことが大切であるとアピールするところに、フランス女性の強さとたくましさを感じた。ブランドが押しつける標準サイズを甘んじて受け入れるのでなく、自分に合ったサイズを堂々と着こなす。これは 昨年から高まったフェミニズムの影響を受けてのイベントだろう。しかし、ランジェリー自体、もともとは抑圧された社会から女性を解放する役割であったことを忘れてはならない。一方で、ランジェリー、スイムブランドは相変わらず、ショーやポスターにプロポーションの整ったモデルを採用しているところに、まだまだ業界のジレンマを感じる。

 

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