インタビュー アツギ繊維事業本部インナー部長/富澤芳章氏・・・好業績の裏にオールシーズンMDを確立

富澤芳章氏

アツギのインナー事業が拡大している。平成30年3月期第二四半期連結決算の下着売上高は15億8900円で前期比109・4%と前期に続き伸びている。後半の秋冬商戦も12月末現在まで順調に推移しており、今期インナー売上高の増収も引き続き期待されている。オールシーズンMDを掲げ、最近ではインナーという表現ではなく「インティメイト」と表現するようになったインナー部長の富澤芳章氏に最新のインナービジネスを伺った。

今期は2017年春夏に新発売したクリアビューティアクティブなどスポーツ系インナーが大幅に伸びている。なかでもYOGAシリーズのインナーは生活者のライフスタイルから湧き起こる「ウォンツ」にフィットした。このシリーズはサルエルパンツ(税別1900円)が一番のヒットアイテムで、従来のインナー売場だけでなくレッグ売場でも展開し販路を広げた。
また、インナーだけでなくレッグも同じだが、売場ごとにいろんなイベントに取り組んだ営業対策が成果を生んでいる。とくに、YOGAインナーは人気で店頭の集客にも貢献できた。
その次ぎに成功を収めつつあるのがシンプルなファンデーションの「ヌードメイク」だ。このブランドは2013年に新発売し5年目を迎えるが、2018年春夏から大幅なリニューアルを図り昨年10月展で発表した。展示会前後の営業活動で予想以上の成果を出しておりかなり期待できる。このブランドをスポーツに続く戦略ブランドに育てていきたい。
リニュールのコンセプトは「より女性らしく」で女性の体型をサポートし、カラーやレースなどの装飾性を加えた。デイリーに使えアウターに響かず透けない。余計な段差は作らず女性のスタイルを邪魔しないことで無理をしないで心地良いボディラインを手に入れることが出来る。ブラジャーでノンワイヤーからソフトワイヤー入りまで5シリーズあり価格は税別1500円~1900円。品番ごとにカップサイズとMLサイズに分け年間定番商品として提案している。
他には単品ショーツも健闘している。ショーツ市場全体は一時の勢いはないが、弊社の中では骨盤系の機能ショーツや総丈26㎝のデイリーショーツ、お尻からお腹まですっぽり包み込む3Dカバーショーツなどが前年以上の成果を出している。
現在のMD計画である「オールシーズンMD」という考え方は2014年春夏からスタートした。その当時のインナー市場はシーズン商品が溢れ、市場全体の6割以上を占めるまでになっていた。だが、うちでは、それと差別化し商品は通年販売するMDを基本にした上でシーズンものを取り込むようにした。いまでは、通年で販売する商品が大幅に増えている。その成果が目に見えて出てきたのが2015年からで商品の独自性を出て、そのやり方を営業部が理解して企画と営業が一体となり取り組めるようになった。
その根底にはコストパフォーマンスではなく、バリューパフォーマンスだと考えている。弊社で売れているシームレスや4枚接ぎのブラジャーの価値は価格の整合性を持ちながら売れ筋につながっている。
最近社内では消費者ニーズではなく、欲しくて買いたくなる「ウォンツ」を製品化し店頭で展開しようと話している。よくモノからコト消費に変わったといわれるが、この2年間で消費者ニーズとウオンツの関係も変化した。いまは、モノがモノを語らないと売れない。アツギは物語を語るような物作りをしていく。とくに、変わったことや違ったことはしない。女性の気持ちや生活に寄り添う、そして役立つようなモノを提案していく。そのためにも「インナー」という表現も女性の気持ちに寄り添う意味を込めて「インティメイト」と呼ぶようにしている。
今年度はAIS(アツギ・インティメイト・スペース)展開で売場のコーナー拠点化作りを進める。既に成約が多く取れているので、この春夏から積極的に展開し、引き続き売上拡大を図りたい。

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