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2018年は「価格」 吸汗、速乾、消臭、保湿、保温機能は標準化 進化した機能開発を

2018年の消費性向がふたたび「価格」を中心に動きそうだ。2017年秋冬商戦は後半からの寒波到来で、防寒系インナー中心に売れ行きは改善し、まずまずの商戦となっている。だが、その割りには、どの小売業者の顔からも笑みはこぼれてこない。その背景には売上げは取れたが中身(粗利)が取れていないからだ。2016年秋冬商戦は景気回復や中国の製造コストアップを受けて製品小売価格を1~2割上げて販売したが、その結果は完全に失敗した。その教訓から、2017年秋冬肌着は前年よりも価格を下げて販売したところが多く売れ行きは回復した。一部、上代の下方修正をしていなかったところも11月からの寒波に合わせるかのように2割~3割、一部には4割~5割ほども大幅に値下げして販売し売れ行きは改善したことで流通在庫は軽減している。これにより、厚地や起毛など防寒系の暖かいインナーや靴下を手にして喜んでいるのは消費者だけで、販売した小売業者やメーカーは値下げ販売で自分たちの利益を削っているのがマーケットの実態となっている。
こういった消費性向は、消費者の買い控えや日本経済の景気後退が原因ではない。むしろ、円安、株高に支えられた日本経済は金融、建築、産業機械、不動産、医薬品、IT(人工知能)、化粧品、健康関連分野で経済の好循環が起こり人手不足が深刻になっている。それは、昭和30年代の高度経済成長下で労働力不足を補うため、地方から「金の卵」(中卒の労働者)たちが労働力として大都市に流入した時代と酷似している。そんな中で衣料品市場に対する消費者の選択肢は「価格」に照準が集中している。そこが、昭和30年代とは全く違う。当時は政府の様々な福祉制度や年金制度が未だ未整備だったにもかかわらず、安いものだけでなく高級なスーツやコートなどの重衣料から中軽衣料がよく売れた時代だった。あれから50年以上経ち豊かで便利な社会になったが、消費者はあらゆるものを体感し、比較できるようになり、良いものだけ選別して最後は価格で判断する能力を身につけている。
すでに、日本で流通するインナー製品はプロパー、セール品でも一部を除いて機能や品質が高く、それが当たり前になっている。そうなると残る最後の選択肢は「価格」に行くのは自然な成り行きだ。アウター衣料はメルカリなどのアプリを使った中古品市場が巨大化し「衣料品は新品でなくても古着で安くて機能の良いものが手に入る」という消費者の価値観が普遍化してきた。各メーカーや流通業者は「もっと付加価値を入れて商品開発を」と叫び対応しようとするが、その付加価値を消費者が、これまで体感したものと圧倒的に違う価値として具現化しないと「価格」で選別されることになる。すでに、吸汗速乾や消臭保湿、保温などの機能は標準装備化した。2018年は「価格」に動きデフレ再燃の懸念もある。品番絞り込み、在庫削減、売場圧縮など縮小政策だけの収益改善は一時的なもの。違いが分かる消費者が受け入れる商品とは何か。商品の付加価値はもう一段高いレベルに進化することが要求されている。

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