インタビュー下着・靴下専門店ストック遠山隆社長/下着が伸びることはない、プラスαの新事業

東京の中野は新しくオフィス街(セントラルパーク)ができ大学も誘致され比較的所得の高い大企業のサラリーマンや若い学生も増えている。また、商店街の奥にあるショッピングセンター「ブロードウエイ」はオタクの聖地となり第二の秋葉原化し奇妙な若者も増えた。全国的に見ると高齢化や過疎化で人口減少が進む中で恵まれている地域だと思う。だが、この下着、靴下の商売が繁盛しているかと問われると、店の前を通る通行人の数は増えているが、店の中にまで入ってくる人は減っている。まわりで売れているものは安い物ばかりで、うちのようなワコールなどの高級品を中心にする店の売れ行きは悪い。
この中野駅北口のサンモール商店街も長年商売をやっていたメガネ屋、魚屋、化粧品屋がなくなり、全国どこにでもあるドラッグチエーンやコンビニ、飲食チエーンが増えた。この短いサンモール商店街だけでもドラッグストアが7軒もあり、できすぎだ。付近の店の坪単価は月10万円にもなり、ユニクロを除いて衣料品店はなり立たない状況になる。こんな家賃の高いところで昔から自分の土地で下着屋をやっているから何とかなっているが、だからと言って安心できない。ワコールだけでは商売がなりたたない。もっと第二、第三のファンデーションメーカーも積極的に入れたいが、ワコールとその次のクラスとの格差が広がりすぎて難しい。トリンプなどはネットと直営店に目が向き卸しなど考えていない。もっとアツギ、グンゼや中小メーカーが高くても売れるものを作って欲しい。
下着プラスαの事業を考えている。下着、靴下、パジャマを扱っているが、高級なパジャマは堅調に売れているが、下着と靴下は安い店やネットに流れ厳しい。この先も下着が伸びることは考えられない。そこで、物販に限らず新しい物やサービスを売る別の業態を検討している。先代が残し引き次いでいる資産の効率的運用だ。現在、高円寺ビルは賃貸に出しているが、本店近くの別館2階から4階は必要のない倉庫とたまに使う会議室になっている。こういったビルは改修などで賃貸面積を増やし持っている資産効率を高める。
中野は賑わっているが店舗経営は難しい。売上が一番だが次は人の問題だ。バイトが全く来なくなった。求人誌で高い金を払い集めているが、それでもいい人は集まらない。近くでは洋服の青山は時給1400円で人を集めている。この仕事は来てもらい接客の教育が必要になる。だが、面接にきた人と話しをすると土日祭日はダメ、夜遅くなる遅番もダメで時間に余裕のある昼間だけ働きたいという人がほとんどで、自分の時間も自由に楽しみたいという人が多い。これでは、重視している販売教育の時間も取れずきちんとした接客ができない。店の営業時間も見直そうと考えている。現在8時30分閉店だが、これを8時にしたい。8時過ぎには客は来ないし、たまに来ても試着して買わず、後で25%引きのネットショップに注文するだけ。生き残るためには下着に依存しない経営が重要になっている。(ストックが展開するワコールガーデンコピス吉祥寺店)

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