インタビュー:ランジェリークデザイナー有馬智子さん/普通の人に普通に着たいものを

カドリールインターナショナルが展開する「ランジェリーク」がデビューして5年目となりブランド知名度が上がり、それを裏付けるように販売実績も追い上げてきた。今年の春夏は前シーズン比110%。百貨店19店舗の販売拠点と一部専門店への卸販売をしているが百貨店を取り巻く厳しい環境の中でも着実に成果を積み上げている。パリランジェリー展へも3回連続出展しフランス、スペイン、ギリシャなどの専門店に卸販売も始まった。そのランジェリークのデザイナーとして活躍するのが有馬智子さん。元々はテキスタイルのデザイナーだったが縁あってランジェリークのデザイナーに起用された。彼女は「このランジェリーは新しいものでも贅沢なものでもありません。リアルで美しく快適なモノを欲しい人にとっては普通のものです」と至って「普通」を強調する。日本初で世界を目指すランジェリークについて、この9月に開かれた18年春夏展でデザイナー有馬智子さんの主張を伺った。

ーこの18年春夏展は
9月展のコレクションテーマはトロピカル(熱帯)。パリ在住の画家アンリールソーの描いた最後の作品「夢」からインスパイヤしたもので、絵の中から出てくる優しい空気感やベビやライオンをピュアーな視点で捉えているところからクリエーションし、強い印象のあるグリーンをメインカラーにした。
ーこだわりは
このコレクションだけではありませんが、私が作るランジェリーはごく普通の人が普通に着たいと思うものを作っています。決して、新しいものでも贅沢なものでもない。私も30代で子育てしながら仕事をしていますが、これは特別なものではなく現実的な下着です。パリのランジェリー展に3回ほど続けて出展しているが、あそこではいろんな下着があり選んで見ることができます。日本でももっといろんな下着があって、その中から自分に合うモノを選んで欲しいし、そのひとつにランジェリークもあれば良いと思っています。
ーどんな女性を対象に
忙しいけどちゃんとしたい、自分を可愛がることができる女性に着けてもらいたい。きれいなものには誰しも目を奪われます。今の時代は「忙しいけどなりふり構わず」ではない。女性はきれいでいたいと願っているし、そんな女性に、このランジェリークを見て欲しい、身につけて欲しいと思っています。私は普通に生きて仕事をしています。ときには売上のためには妥協もしています。より多くの人に知って欲しいし、そのためにはカドリールニシダの持つパターン技術、縫製技術、レース表現力などの資産を活かし素材やレースの価値をつけています。
ーコストとの兼ね合いは
縫製しにくい難しい素材にこだわると価格に見合うかと問われますが、それをやることで技術も上がり、良いものが残っていきます。いいものは高いんですと素直に伝えたい気持ちになる。いまは「いいものが安くなくてはダメだ」と言われますが私はそう思いません。大事な素材やレースをどれだけ大切にして、その価値を損なわないようにしていくか、それが私の仕事だと思っています。
ーハイブランドとは
ハイブランドには今でも価値がある。昔はコピー品が少なかったし、本当に価値のあるものはハイブランドしかなかった。しかし、今でもハイブランドには価値があり特別なモノを発信している。ランジェリークは私がそうであるように世間の流行など気にもしていないし、同業者が何を作っているかも知らない中で、1枚1枚丁寧に自分たち100%のオリジナルを作り上げている。丹精込めて作り上げたものを、どうしたら活かしていけるのか、そのことにすべてを注力しています。
ーこの9月展は
全部で5つのシリーズがありますがベーシックゾーンを除くと、とくに注目して欲しいのが綿100%で夏素材のチジミのラウンジウエアです。日本に古くからある凹凸感の楊柳がサラサラとした快適感と涼しさを感じさせ夏に最適です。今回の展示会でも、このラウンジウエア(税別3万6000円)にバイヤーの注目が集まりました。ラウンジウエアやインナーには綿のベア天生地が多く使われている中で、この素材を活かしたラウンジウエアのブランシュシリーズ(4月中旬納期)がお薦めです。

 

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