インタビュー・ナイガイ 今泉賢治社長・・・次はやりたいことをやる

インタビュー「筋肉質の体はできあがってきた、次はやりたいことをやる」と話すのはナイガイの今泉賢治社長。2016年度から始まった第3次経営計画だが、今年はその2年目にして確かな手ごたえを感じている。長年の懸案だった店頭の実需に応じた商品供給のあり方など、百貨店卸ビジネスのロス排除に向けた取り組みも成果を上げてきた。第4次経営計画に向けて次の一手は何を打ち出すのか、今泉賢治社長に伺った。
ナイガイNプラッツNPlatzーレッグソリューション企業とは
このレッグソリューション企業という位置づけは2016年からスタートした第3次経営計画で中心にした考え。これまでは、卸業が中心で消費者ではなく取引先を相手に商売してきたが、これからは消費者の足まわりの悩みを解決する企業として商品を開発し提供する企業に位置付けを明確にした。弊社は9年前の2008年に靴下専業メーカーとして仕切り直し再スタートしたが、それをもっと進化させ、お客(消費者)に近づき寄り添い納得してもらえる価値を提供したいという考えです。1920年の創業時には当時の先輩たちが靴下製造会社として出発したが、その後、業務拡大に伴い一時総合アパレル化していた。それを、創業時の原点に戻り、もう一度靴下をコア事業として専業化するということです。
ーそのためには
靴下専業メーカーといっても、これまでの私たちの商売は百貨店相手にライセンスブランドの靴下を作り売るという楽な商売をしてきました。そこで、足りなかった機能靴下の分野で砂山靴下と資本・業務提携し、機能ソックスの分野で先進的な取り組みをされていた技術と融合することで、われわれに新しい機能靴下の開発と販売いう分野を身につけることにしました。この資本業務提携の目的はふたつあります。ひとつは、内部を変えるためには外圧が必要で、そのための必要だったこと。もうひとつは、砂山靴下が長年に渡って開発してこられた機能ソックスの開発技術や売り方を学ぶことです。いまは、百貨店ではなく、その先にいる消費者を見て、その声を聞いて商品開発に活かし販売するというやり方にだいぶ鍛えられてきたと感じています。
ーこの春夏商戦は
基本的に増収増益で進んでいます。この1、2年で展開品番数は2割ぐらい削減し百貨店の前売りは前シーズン比101%。紳士靴下は103%。婦人靴下は98%でした。婦人靴下は「ジバンシィ」などのブランドがこの春からなくなった影響です。それを除けば婦人靴下も堅調に推移しています。店頭卸売りベースでは104%で靴下商戦の厳しいなかではまずまず良かったと評価できると思います。
ー量販店は
量販店は112%で2ケタ増と好調です。コストよりも付加価値訴求に重点を置いた弊社の取り組み姿勢が理解され、量販店との取り組みも良くなっています。この春夏ではイオンと取り組んだメンズソックス「ファブリーズ」(1足480円~580円)は弊社のブランドをイオン専用ブランドとして取り組みましたがよく売れました。ピーアンドジー社の商標ですが、紳士靴下は代理購買型でブランド名が消臭剤で女性に認知度が高いことが成功した理由だと思います。商品は抗菌防臭機能で「ファブリーズ」の知名度の高さで成功しました。
ーBtoBやBtoCは
BtoBは専門店や新規の小売店に対しBtoBのナイガイ仕入れサイト(ナイガイセレクトモール)への勧誘を薦めており、すでに200件前後の契約が成立している。このシステムには商品の注文や納品だけでなく、これまでセールスマンが提供していた店頭表現するためのPOP、ギフト資材などのツールを提供することができるようになった。これからも使って喜んでもらえる情報や資材を提供していく。BtoCは最も強化拡大するために取り組んでく大事な事業だと考えている。弊社のEコマース事業であるネット通販は子会社センティーレワン(大阪市本社)が中心に展開し、毎年2ケタ増の事業拡大を続けている。年商はバック類が約12億円、靴下類が約3億円で合計15億円だが、営業利益は1億円以上を上げている。当面は靴下で10億円を目標にしており、これからはバーコードにスマホを当てると商品特徴が分かるようにするなど、新しい付加価値を提供していきたい。
ー次の課題は
現在の第3次経営計画の3年間は靴下専業メーカーとして、既存ビジネスの再構築を最優先に最低限のこと、やりたいことではなく、やらなければならないことを優先してやっている。その結果、この2年間で百貨店ビジネスを始めとする既存卸業の再整備、再構築ができつつあり、だいぶ筋肉質な体になってきた。この次は第4次経営計画を見据えて、やらなければならないことではなく、やりたいことをやる事業を考えている。その中には新規事業も入ってくるかもしれないがポイントになるのはエンドユーザーをしっかり捉えたBtoCビジネスの広がりだ。Eコマースは当たり前だが直営店事業やテレビショッピングなどもネットを中心にした新たな取り組みが出てくる。これから先は多少なりと体力も出てきたのでゆとりを持ち考えたい。ポイントは、これからのやりたいことはやり続けることが重要だということ。かつてのナイガイは多くの新規事業を立ち上げたが、途中で利益が出ないとすぐに諦め止めてしまった。だが、今度は一度始めた新事業は一時的には利益が出なくても結果が出るまでやり続けるという決意で取り組みたい。靴下は実用品で差別化できないコモディティ化した商品だと言われるが、それは違う。まだまだお客様に伝えていく価値があり、そのやり方はたくさんある。この春夏に成功した紳士靴下「ファブリーズ」がそのことを証明している。日本は人口減少で消費のパイは小さくなると言われるが、世界は50億人で人口は増えている。日本で成功すれば、その先に海外事業の展開も見えてくる。

ナイガイ 今泉賢治社長1今泉賢治社長

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