電子商取引に関する市場調査(平成30年度)/BtoC市場17兆9845億円・前期比8・96%増

衣料系分野1兆7728億円、前年比7・74%増(EC化率12・96%)

平成30年度の「電子商取引に関する市場調査報告書」が経済産業省商務情報政策局情報経済課から2019年5月に公表された。この報告書は平成10年の第一回から今年で21回目となり、継続的に企業間電子商取引(以下BtoB)と消費者向け電子商取引(以下BtoC)の市場規模及び電子商取引率を推計している。
それによると、平成30年度(2018年度)は、BtoC市場規模総計(表1・図表1ー1参照)が17兆9845億円、前年比8・96%となる。その中の物販系分野が9兆2992億円、同8・12%で、この物販系分野のEC化率は6・22%となった。他に、サービス系分野は6兆6471億円、同11・59%。デジタル分野は2兆382億円、同4・64%となる。
物販系分野の中で主にアパレル系の「衣類・服飾雑貨等」の分野(図表4ー14)は1兆7728億円、同7・74%で、物販系分野全体の伸び率(8・12%)と比較すると伸び率が低くなっているが、EC化率は前年よりも1・42ポイントアップして12・96%となった。
今回の報告書では、全体の伸び率(8・12%)が、2年連続して1ケタ台に止まったことや一部の業界関係者や有識者へのヒヤリングから「今後は市場規模の大幅な増加は見込めないのではないか」という見解を紹介し、その仮説の上に3点を指摘している。
その第一はEC業界における価格競争の厳しさを指摘している(図表4ー5参照)。これは、日本を含む10ヶ国のネットと実店舗の価格比較を行い、日本での価格競争激化要因を指摘している。
この図表は左側数値が「ネットの方が安い」、中央の数値が「実店舗の方が安い」、右側の数値が「ネットと実店舗が同価格」と3つに分けて各国の価格を調査し集計した。
その中のトップ「日本」を見ると「ネットの方が安い」が全体の45%、「実店舗の方が安い」が7%、「ネットと実店舗が同価格」が48%という結果になった。注目は「ネットの方が安い」品目が45%あり、これは、2位ブラジル以下のどの国よりも日本が同じ商品がネットで安く販売されている実態を示したもの。
とくに、ネット先進国といわれるアメリカ、中国などと比較しても、日本が実店舗よりもネットで安く商品が販売されていることがわかる。報告書では、日本ではネットで実店舗よりも安く販売されている品目が多く、それらの商品を販売するネット業者間で激しい価格競争が起こりやすいと指摘している。
二番目は日本での実店舗の充実ぶりだ。総人口からすると算出すると飲食料品の小売業は約400人に1カ所。織物・衣服・身の回り品の小売業は約900人に1カ所の割合で存在しており、そういった店舗の充実ぶりが指摘される。
三番目はBtoCが進化しSNSや商品配送を含めたオムニチャネルが進展してきたことで、これまでのようなネット通販の業態が変わりつつあることだ。この数年で、実店舗に強みのある企業がEC事業に積極的に進出したり、逆にEC事業者が実店舗に乗りだすケースも多く出ている。
その結果、EC業者から商品やサービスを購入するというだけでない、新しいネットワーク型の消費スタイルが形成されつつあることを上げている。
衣料品のネットショップがかつて2ケタ台の成長していた時に比べてと、この2年間は減速している。だが、以前として8%代の成長を維持しており、EC化率が前年比1・42ポイントアップして12・96%と高い成長性を持続していることも間違いない。これからは、商品配送を含めてSNSや実店舗、そして、ネットショップがインターネットで繋がり、ネットワーク型の消費スタイルが広がりつつある。(資料出典:経済産業省)

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